吟道の歩み

2016年5月8日

現代詩吟のルーツ

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現代詩吟のルーツは、江戸時代後期に武家の子弟を教育した私塾や藩校において、漢詩を素読するときに独特の節を付けて詠んだことに求められます。

それらの門人が全国に広め、文士風の格調高い吟調を基調とする諸流派が生まれました。

一方、幕末の志士が悲憤慷慨を激しく吟じ上げた勤皇節という吟調も盛んになります。

明治、大正、昭和を通じて文士調、勤皇調の二つの吟調は共存しながら伝えられ、当時の青年たちはそれぞれの魅力にひかれ、その特徴に基づく新しい流派も次々に生まれました。

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その中で、近代吟詠の発展に大きく貢献したのが、近代吟詠の祖と称えられる「木村岳風」です。
岳風は大正から昭和にかけて会津・水戸・萩・土佐・福岡・熊本など全国を巡り、各地にのこる詩吟を研究し、独自の吟法を確立しました。

そして全国を行脚して吟詠の普及活動に努め、昭和十一年には「日本詩吟学院」を創設、吟詠家を育てるために生涯情熱を注ぎました。

現代吟詠の誕生

現代吟詠は江戸時代末期に起り、広瀬淡窓の影響が大きく現行吟詠の祖といっても過言ではありません。

幕末になり勤王の志士達が詩を作り吟じた(がなり節)ことが、詩吟の普及に寄与したことは想像に難くありません。

明治維新になると西洋文明中心となり、漢詩・吟詠ともに衰退した。その復興は大正末から昭和にかけてであります。

吟詠指導の旗揚げをしたのは、渡辺緑村・ 木村岳風・宮崎東明・吉村岳城らであります。

昭和13年「大日本吟詠連盟」が創立され関西では「関西愛国詩吟連盟」が作られ、翌年には両連盟が提携して大会を開催したのを機に「日本詩吟総連盟」が結成されました。

日本邦楽界の仲間入りはできないながらも世間に詩吟を認知させました。

その後、剣詩舞も含め諸団体の結成がつづき、
日本船舶振興会の出資により「財団法人・日本吟剣詩舞振興会」(初代会長:笹川良一)が誕生しました。

摂楠流年表

昭和23年 4月1日 日本吟詠会創立  会長藤原摂楠(流祖)
昭和27年 日本詩吟学院関西本部長 流祖就任
昭和33年 日本詩吟学院関西本部 辞任
日本吟詠会本部と呼称 会長に就任
昭和40年 摂楠流日本吟詠会総本部と改称  9月12日創流記念吟道大会開催
昭和41年 神戸に東部・中部・西部の3ブロックが結成され会員増強に励む
昭和44年 吟道摂楠流総本部と改称し現在に至る
昭和46年 各地区連合会設立
昭和49年 幼少年部大会発足
昭和55年 4月初代宗家藤原摂楠亨年78歳で寂 (陽春院宗家摂楠居士)
藤原摂鳳宗家代行就任
昭和56年 長田区苅藻通り摂楠流事務所開設
昭和60年 藤原摂鵬二代目摂楠襲名宗家就任
平成 6年 せつなん会館竣工 摂楠流事務所移転
平成 9年 創立50周年記念吟道大会
平成14年 55周年大会 国際会館〔初代宗家生誕100年祭〕
平成19年 60周年大会 神戸文化ホール〔吟の輪を広げよう〕
平成24年 9月30日開催。65周年大会 神戸文化ホール